「俺、ちゃっかり大阪土産リクエストしちゃった」
と夫。
大阪土産か・・・。
私なら何がいいだろう。
大阪の名物といえば、私の中では「うどん、お好み焼き」
といったところか。
でもそれらはお土産というより、現地で食べたいと思う。
「大阪かー。俺はあんまり行ったことないなぁ」
という夫に
「私の昔の彼氏は大阪に住んでいたので、
一時期は1ヶ月に1回くらい大阪へ通っていたわよ」
と私は言えなかった。
大阪へ通っていた当時、
私の東京土産はお菓子とか食べ物が中心。
でも新幹線料金だけでかなり財布にはキツイ日々だったので、
私の元気な姿だけが彼にとって本当のお土産だったかもしれない。
彼もお金に余裕がない身分。
なにせ私が大阪にいる間、食費はすべて彼が支払っていたから。
そんなわけで、彼からの大阪土産も特になし。
まぁ、旅行じゃなくて普通のデートという感覚だったので
お土産は気にならなかったというのが本当のところ。
「俺さ、大阪だけで買えるグッズ頼んじゃった」
と夫はまだお土産の話を口にしていた。
「ちゃんと餞別渡したの?」
と聞く私に
「いつも会社ではあいつの尻拭いをしているんだぜ。
餞別なんかやんなくても、
土産のひとつくらい買ってくるのが当然だろう」
さて、それから数日後。
会社から戻った夫に
「大阪のお土産もらったの?」
と聞いたら
「ああ?そんなもんひとつもよこさなかったぞ、あいつ」
と寂しそう。
どうやら彼、会社の女性たちにはしっかりお土産を渡したそうな。